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メディア情報

これからのシェアハウス:

2018-01-08

立体構造が特徴的な、これからのシェアハウス

ライフスタイルや価値観の変化に伴い、若年層を中心にシェアハウス
の需要が急速に伸びている。この10年で市場規模は約10倍に膨れ上がり、
今後も業界の見通しは明るい。そもそもシェアハウスとは、リビングや
水回りを住人同士が共有し、個室をプライベート空間とする共同生活のこと。
これまで社員寮やアパートをリノベーションした物件がほとんどだったが、
2013年7月、西区の城西に新築物件が誕生。
シェアハウス業界に新しい風を吹き込んだ。

シェアハウスLT城西 D-FLAT04

シェアハウスLT城西 D-FLAT04

設計を担当したのは、成瀬・猪熊建築設計事務所。時代に即したシェ
アハウスを造りたいと、施主から東京の事務所に直接オファーが届いた。
「新築ならではのシェアハウスを建てたいと思いました。重視したの
は、個室と共用部の繋がり方のデザイン」と建築家の猪熊純さん。まず
は、建築全体の構成を決めるため、個室と共用部の配置を同時に検討した
という。そして、シェアハウスに本当に適した建築」を実現すべく導きだ
した答えは、立体構造だった。「内部に高低差をつけて個室を配置するこ
とで、共用部と個室を繋ぐ廊下をなくしました。これにより、三次元的
に広がる共用部のレイアウトが可能になり、場所によって高さや広さを
変えて、居心地の異なる空間をつくることができたのです」

実際、建物を見渡すと、空間が水平方向にも、垂直方向にも連続的に
繋がっていることがよくわかる。玄関を背にして、左手には壁沿いにソ
ファとテレビが置かれたI階リビング、右手には吹き抜けから日差しが
注ぐキッチン、正面には天井高を抑えたダイニング。視線を上げると、
中空に浮かぶような2階リビングが目に飛び込んでくる。すべての空間
が繋がりながらも、天井高の変化で空間の質が移ろい、区切りがあるよ
うに感じるから不思議だ.居住者の鈴木さんも「何人かでテレビを見て
いる人たちもいれば、2階で本を読んでいる人もいます。その時の気分
や用途に応じて、思い思いに過ごせるのがいいですね」と、共用部の居
心地のよさが気に入っている様子。ひとりでも、複数人でも気軽に過ご
せる、風通しのよさが魅力だという。もちろん、プライバシーヘの配慮
も抜かりない.「個室は鍵のかかる完全プライベート空間ですが、入り口
をクランクさせることで、ドアが開いた時に共用部から部屋が見えない
ようにしました」と猪熊さん。個室と共用部の間に視線のクッションを
入れることで、独立性の高い個室を作り出した。それでも、「キッチンで
料理する音が聞こえたり、話し声が聞こえたり、どこかでお互いの気配
を感じます」と鈴木さんが話すように、大きな屋根の下で暮らす安心感
がある。それは、気ままに過ごせる共用部が、住人同士を緩やかに結び
つけているからこその感覚だろう。今後、この立体構造がシェアハウス
の指針になるかもしれない。

名古屋シェアハウスLT城西 D-FLAT04

シェアハウス。名古屋D-FLAT。LT城西 D-FLAT04

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